毎年恒例の執筆文献の振りかえり投稿です。今年はBlogにもアップしてみました(最近全く動かせてないので)
ただ、今年は後述のとおり、NBLの連載が中心となった1年でした。連載は毎月〆切との戦いで大変だったのと、出産・育児やTOEFLの勉強などで可処分時間が限られ、執筆活動を少し緩めてしまった感はあります。反省です。
来年は引き続きNBLの連載を頑張るのと、関与した書籍が2~3冊出る予定ですので、こうご期待ください。
それでは各文献の振り返りです。
◆「担保の基礎と実務Q&A」(金融財政事情研究会)
https://store.kinzai.jp/public/item/book/B/14445/
⇒所属している第二東京弁護士会倒産法研究会の執筆企画に参加しました。担保の基本的なところから、かなり実務的・個別的な内容まで採り上げられており非常によい1冊になったのではと思います(書式も豊富です。)。
私自身も、担保は業務ではよく使うためある程度理解しているつもりでしたが、執筆のために色々な文献を参照し、非常に勉強になりました。特に他の事務所の先生と一緒に執筆をすると、自分がいままで知らなかった文献を指摘いただけたりするので、新鮮でした。
≪NBL連載:契約書レビューの体系と実践≫
◆「第3回 契約書レビューにおける総論的視点(3) その他契約書条項レビューにあたって意識すべき点」(1258号)
⇒この回では契約書レビューをするにあたってどのような切り口(視点)があるかを解説しています。何となく自分の中で整理していたものを言語化する作業で大変でしたが、非常によい整理ができたのではと思っております。
◆「第4回 契約書レビューにおける総論的視点(4) 契約書の項目その他基礎知識①」(1260号)
⇒前文・後文・署名欄など契約書の項目について解説しら回です。地味に締結権者(代表取締役以外が押印者の場合、法的にどう整理されるか)は、ふと考え始めててみると、厳密には分からない論点なので、今回整理を示すことができた点で意義がありました。
◆「第5回 契約書レビューにおける総論的視点(4) 契約書の項目その他基礎知識②」(1262号)
⇒「及び」などの契約用語を解説した回ですが、地味に割印の解説の中で関連する判例を調べて注で言及できたのが良かったです(脚注芸)。
◆「第6回 損害賠償条項」(1264号)
⇒この回から各論です。損害賠償条項の論点は色々な書籍に散らばっていた印象ですが、それを整理できたのがよかったです。特に、直接損害・結果損害・拡大損害・起因又は関連してなど、契約条項で見かけるけど、法的にどういう整理なのだろうと思う文言について、現状の実務の見解を整理できました。
◆「第7回 契約の目的・秘密保持条項」(1266号)
⇒契約の目的については債権法改正時に色々議論があったのですが、その後あまり実務に進捗はない印象でして、当時自分も色々指摘した立場だったので、現状を文献という形で示すことができたのがよかったです。
秘密保持については、実務上のあるあるになるべくふれるよう努めたのですが、それでも公開後には色々ご意見もいただきまして、今後要アップデートだなっぁと思っております。
◆「第8/9回 契約の目的・秘密保持条項」(1268/1270号)
⇒一緒に執筆した宮本先生がとてもRSを頑張ってくれまして、いつにもまして脚注芸が炸裂した回でした。拙書「改正民法対応 はじめてでもわかる 売買契約書~図解とチェックリストで抜け漏れ防止~」を執筆した際に作成した不可抗力事由一覧を5年ぶりにアップデートできたのもよかったです。現状不可抗力の議論を一番まとめた実務文献だと思いますので不可抗力に困ったらぜひ。
◆「第10/11回 譲渡制限」(1272/1274号)
⇒こちらも債権法改正時に色々議論があった事項ですので、現状の実務動向をはっきりかけてよかったです。一緒に執筆をした吉原先生が譲渡制限オタクで、なかなかの脚注芸も発揮できました。
◆「第12~14回 保証条項」(1276~1280号)
⇒保証については債権法改正時に大きく動きがあり、実務的にも契約書雛形がかなり変わりましたので、新ためてその内容を整理できてよかったです。また、1280号で採り上げた担保保存義務、代位権不行使特約は何となくの理解をしていたものの、債権法改正も踏まえた現状の議論を文献に基づく整理出来てよかったです。
もし興味がある事項があれば、ご連絡くださいませ。
それでは、みなさま良いお年をお迎えください。